プレイリスト #1 (2022年7月)
こんにちは。藤井兄です。
雨、このところしょっちゅう降ってますね。。。梅雨明けはどこに行っちゃったんでしょうか。しかも梅雨のなかったはずの北海道でもこの時期に雨がよく降るようになったようで、なにやら地球規模の気候変動を感じざるを得ません。。。
と、全くバンドの規模に合わない、どの口が言ってるんだ案件の大仰な話をしてしまいましたが、早くちゃんとした夏が来てほしいなーなどと思いながら、雨が降ってじっとりした空気が漂う、こじんまりした地方の駅のホームでこの文章を書いています。制服の学生さんが電車を待ってる姿はそれだけでノスタルジーです。
てな感じで、ミュージックセレクター藤井兄のプレイリストシリーズ始まります。記念すべき第一回目のテーマは「Vaporwave」。自分が説明するまでもなくネット上にはいろんな解説記事があるんですが、僭越ながらこの場で少し音楽の背景を説明させていただきます。
このVaporwave、2010年前半に突如として現れた音楽ジャンルなのですが、Oneohtrix Point Neverの別名義、Chuck Personとしてリリースしたアルバム「Eccojams Vol.1」がその始まりとされていて、
その後Vektroidというアーティストが複数の別名義(Macintosh Plusなど)で楽曲を大量にリリースすることで意図的にムーブメントを発生させ、インターネット上で広がっていきます。
音楽的な説明をすると、80s〜90sのR&B、AOR、スムースジャズ、さらにはショッピングモールやエレベーターで流れてるチープな音楽などをサンプリングし、それらのBPMを極端に遅くしたり、ピッチを下げたり、チョップ&スクリュー(曲を遅くして更に半拍ずらしたものを同時に流す手法)したりフィルターをかけたりして、なにやら不気味で気怠い雰囲気を作り出します。
(※ちなみにVaporwaveから派生したFuture Funkというジャンルですが、竹内まりやのPlastic Loveなどの80s J-POPが頻繁にサンプリングされていて、現在の山下達郎を始めとする80s J-POPの世界的なムーブメントの火付け役だったとも言われています。)
また、アートワークがかなり個性的。紫やピンクをテーマカラーとして、チープなCG、昔のPCや古いWindows OSのロゴ、ギリシャ彫刻、日本のアイドルやアニメなどがモチーフとして使われており、音楽とアートワークに強いイメージの結びつきがあるのも特徴です。(ちなみにこの記事のトップにあるサムネイル画像は、フリーのスマホアプリを使って適当に作ってみました。)
こんな具合になんとも怪しげな雰囲気を醸しだすVaporwave。この気怠さが、梅雨が明けたはずなのに明けてないもやもやした感じや、暑くてじめっとした今の空気と絶妙なマッチをしていまして(それこそvaporwaveは直訳すると蒸気の波ですしね)最近改めてよく聞いています。もしかすると、DJやセレクターのお仕事始めてから80sに触れる機会がとっても増えたことで、Vaporwave のサンプリング元に親近感を覚えるようになったのも、改めて聞き直してる理由かもしれません。
ちなみに最近では、サンプリングをせずにVaporwaveの空気感を取り入れた楽曲を作る人たちも出てきていたりして、より聞きやすいものが増えてきているなーとも感じてます。
プレイリスト投稿が初回で肩の力が入ってることに加えて、昨今の音楽シーンにもかなり影響を与えているジャンルだったこともあり、かなり前置きが長くなってしまいましたが、、、以下がプレイリストになります。
(※SpotifyとApple Musicで、登録されていない曲があったので、少しだけ内容異なります。)
ザ・Vaporwave の楽曲をイメージのきっかけにして、その雰囲気が感じられるものや、ネタ元になりそう(ここ重要です)な楽曲をリストにしてみました。というのもVaporwave はその性質上、著作権的な問題が多いようで、いわゆるサブスク系のサービスには入ってないものが多いです。ですので、ご興味ある方はYouTube、soundcloud、bandcampあたりを使って探してみてください。
激暑で湿度が高いながらもスカッとした青空を待ち望みながら聞いていただけると幸いです。早く洗濯物を気兼ねなく干せる日々が来てほしいですね。
それではまた次回。